東京都中央区
協力・資料提供=東京都中央区
文=編集部
Concept to develop amenity space in Tsukiji River
Chuo-ku, Tokyo
Materials provided by Chuo-ku Text by Editorial desk
首都高速都心環状線・築地川区間は、1964 年東京オリンピックの開催を契機に築地川の 埋め立てにより整備された。建設から58年が 経過し、コンクリートの剥離や鉄筋の腐食な ど経年劣化が見られる。首都高速道路株式会 社では、1号羽田線東品川桟橋・鮫洲埋立部・ 高速大師橋、3号渋谷線池尻・三軒茶屋出入 口付近、都心環状線竹橋・江戸橋JCT付近、 銀座・京橋出入口付近の大規模更新事業を進 めている。この更新を契機に日本橋区間と築 地川区間は周辺のまちづくりと連携した都市 再生を推進する計画である。
首都高速道路のこの大規模更新に合わせ 中央区では、自然豊かで区民一人ひとりの快 適で多様なライフスタイルを支える、次代に相応しい都市のアメニティ空間の創出に向け 区の考えを示した。これが「築地川アメニティ 整備構想~銀座と築地をつなぐ新たなアメニ ティ空間の創出~」である。
しかしこの構想の実現には、多くの課題を 解決する必要がある。特に首都高速都心環状 線は、首都圏の社会・経済活動を支える大動 脈として重要な役割を担っているため、交通 機能を阻害せず交通渋滞を極力発生させな い計画が求められており、関係機関との協議調整には多くの時間が必要になる。加えて更 新区間の上部空間(アメニティ空間)の整備方 法と管理・維持方法についての検討、そして 周辺のまちづくりとの連携による一体的なま ちづくりを推進していくための関係者間の調 整も必要である。
これらの課題を解決しながら完成を目指す という。築地川区間延長約1,000mがアメニ ティ空間に生まれ変わった都市景観に期待が ふくらむ。
首都高速都心環状線・築地川区間の現況
築地川アメニティ整備構想が生まれた背景 はいくつかある。ひとつは先に述べた首都高 速都心環状線の大規模更新である。それとは 別に、区政としての課題もある。それは「中央 区を取り巻く環境」としてこの構想にも取り込 まれている。そうした背景が、この整備構想に つながった要因のひとつであろう。
しかし都心部において、緑地等を創出する ために新たな場所を確保することは難しい。 首都高速都心環状線・築地川区間の上部空間 を活用することで、まさに新たな場所を創出 することとなった。ここをアメニティ空間とす ることで、多くのオフィスビルが建つ築地エリ アに潤いをもたらすことは間違いない。
(出典:築地川アメニティ整備構想/中央区)
アメニティ整備構想の検討範囲とそ の効果イメージ図。黄色で表した東 京高速道路(KK線)は戦後、銀座の 復興と自動車交通量の緩和を目的と し建設されたが、首都高速道路の日 本橋区間地下化に伴う新たな都心 環状ルートの整備方針を受け、その 役割を終え、緑のプロムナードとして 整備することが検討されている。実現 すれば、築地川アメニティ空間と合わ せ銀座を囲む巨大な緑豊かな空間が 生まれることとなる。
中央区を取り巻く環境
● 本区を訪れるすべての人が、安心して快適に買い物や飲食が楽しめる、にぎわいを創出するまちづく りの推進が必要である。
● 有形・無形の歴史的遺産を活用した国際都市東京の中心に相応しい魅力的な都市機能と景観が融 合した、風格ある街の形成が必要である。
● 近年、区内人口の増加に伴い、区民1人あたりの公園面積は減少傾向が続いており、新たな土地の確保 が難しい本区においては、開発事業等に合わせた公園の拡充が必要である。
● 近年都市部ではヒートアイランド現象などの進行により、熱中症対の健康被害が懸念されている なか、ヒートアイランド現象を緩和し緑豊かで快適な都心を実現するため、公園等のまとまった緑の 形成が必要である。
● 東京都は平成31年3月に築地のまちづくりの将来像や方向性、進め方を示した「築地まちづくり方 針」を策定した。ここで『浜離宮恩賜庭園や銀座、隅田川、そして食文化など魅力的な資源を有する地 域のポテンシャルを生かしつつ、新たな東京ブランドを創出・発信する「創発MICE」機能を持つ国際 的な交流拠点の形成』を掲げている。…